謝って欲しい気持ち
待ちに待ったドラマがやっと放送されるようになりました。
「MIU404」機動捜査隊という警視庁刑事部所属でいち早く現場に駆けつけ初動捜査を行う警察官のドラマです。
あの「逃げ恥」「アンナチュラル」を手がけた野木亜紀子さんの脚本で星野源が出るってことで楽しみにしてたのに…コロナで放送開始も延び延びになっていたのです。
内容はやっぱりとてもいいです。
野木さんの脚本は何とも人に対して優しいところが好きです。うまく言えないけどじんわり優しいのでじんわり沁みてくるのです。
今回のお話は会社の上司を刺し殺してしまった男が、13年前に15歳で自殺してしまった息子を持つ夫婦の車に立てこもってある場所へ向かわせるというもの。
夫婦は死んだ息子が生きていれば同じ年頃の男に13年前に信じてやれなかった息子を重ねて彼の無実を信じて行動を共にします。
だけど残念ながら彼は無実ではなかった。
何でも自分の思った通りにしないと気が済まない父親にいわゆる虐待されていた男が会社の上司に父親を投影したことにより起こした殺人事件だった。
言ってしまえばそういう内容なんだけど、この犯人である男の何とも言えない悲しみと悔しさと後悔とが伝わってきてむせび泣いてしまった。
彼は父親に謝って欲しかったのです。ただそれだけなんだけど糸がこんがらがっちゃって殺人までいってしまった。いつの間にか父親に復讐するために殺人する自分になってしまった。
父親に言うことをきかないとゲームや漫画やPCを取り上げられて壊されて、「お父さんを怒らせた僕が悪い」という反省文を書かされた上に殴られて…
悲しかった悔しかったって自分の気持ちを勇気を持って父親に話して、「謝って欲しい」ってどんな反応されたとしても言ってみたら良かったんだよね。
私も謝って欲しい人がいるから彼に感情移入してしまった。感情の解消して大分楽にはなったんだけど…本心では謝って欲しいと思っている。なかなか話す機会もないし、向こうにしたら忘れてしまっていることかもしれないけど。私はわだかまりを抱えている。
私も機会があったら自分の気持ちをちゃんと話して謝って欲しいと言ってみようと思う。そんなことを感じたのでした。
そしてラスト。警察に連行される彼を見つけた夫婦が「一緒に行くって約束したのに最後まで付き合えなくてごめんね。また一緒にドライブしよう」って彼に声をかける。
その言葉に応じて深々と頭を下げる男。
父親に謝って欲しかった男と息子に謝りたかった夫婦がつながった。ドラマだからうまいこといくけどやっぱりほっとするよ。いい場面だった。
そんでもってそこに流れる「過去生絶対呪術師だったよね」と言いたくなる米津玄師の歌がまたこれでもかってくらいに沁み入るんだわ。
まあ今回も私の期待に応えてくれた素敵なドラマなのでもし気になった方は見てみて下さい。
毎週金曜日22時からTBSで放送してます。
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